犬のワクチン、忘れてた — 狂犬病と混合ワクチン、今やることと来年忘れない仕組み
犬のワクチンを忘れてたと気づいたら、まずかかりつけの動物病院に電話します。1回でよいか打ち直すかは、ワクチンの種類と製品をもとに獣医師が決めます。狂犬病の予防注射は法律で毎年1回の義務で、6月を過ぎても動物病院で受けられます。4月〜6月という時期の決まりは2027年3月2日に廃止されます。混合ワクチンの間隔の考え方と、来年忘れないための家族の仕組みもまとめました。
10月、トリミングサロンに予約の電話をすると、「ワクチンの証明書は、1年以内のものをお持ちください」と言われます。引き出しから出した混合ワクチンの証明書の日付は、去年の8月です。
ついでに首輪を見ると、狂犬病の注射済票は昨年度のままです。春に集合注射の案内が届いたとき、家族はそれぞれ、誰かが連れて行くと思っていました。
犬のワクチンを忘れてたと気づいたら、まずかかりつけの動物病院に電話して、前回いつ、何を打ったかを伝えます。1回打てばよいのか、打ち直しが必要なのかは、ワクチンの種類と製品で変わるので、決めるのは獣医師です。狂犬病の予防注射は法律で毎年1回の義務なので、6月を過ぎていても先延ばしにせず受けます。そして来年は、獣医師が決めた次の日付を、証明書の写真と一緒に家族が見える1か所に残します。この記事の答えは、この3つです。
ワクチンを忘れたときのことを調べると、遅れても大丈夫だという答えと、4月から6月に打たないと違法だという答えが並びます。どちらも、それだけでは足りません。この記事では、法律で決まっていること(狂犬病)と、獣医師が決めること(打ち直しや間隔)を分けて整理し、2027年3月2日から変わる狂犬病の注射の時期の決まりも書きます。証明書をなくしたときの再発行や、ペットホテルなどに出す証明については、ワクチン証明書をなくしたときの記事にまとめました。
本記事は、メモフの開発者による「記録のつけ方」のガイドであり、獣医療や法律のアドバイスではありません。接種をどうするかはかかりつけの獣医師に、狂犬病の手続きは登録している市区町村にご確認ください。接種のあとに気をつけたい様子は、記事の後半にまとめています。
犬のワクチンを忘れてた。まず何をすればいい?
かかりつけの動物病院に電話して、前回いつ、何のワクチンを打ったかを伝え、次にどうするかを決めてもらいます。
電話の前に、次の3つを手元にそろえておくと、話が早く進みます。
- 前回の証明書。 混合ワクチンの接種証明書と、狂犬病の注射済証です。ワクチンの名前と接種日が書いてあります。
- 今の体調。 食欲や元気、飲んでいるお薬、最近の通院のこと。
- 狂犬病なら、首輪の札。 注射済票を見れば、どの年度の注射まで受けているかがわかります。
電話で決めてもらうのは、答えがワクチンと製品によって違うからです。コアワクチンなら1回の追加接種で足りるとする世界小動物獣医師会(WSAVA)のガイドラインもあれば、2回でやり直すよう勧める添付文書もあります(くわしくは下の「混合ワクチンが1年過ぎたら」の章で紹介します)。米国動物病院協会(AAHA)も、ガイドラインのQ&Aで、接種が遅れたときはメーカーの指示を確かめるよう獣医師に呼びかけています。どの製品を打っていたかを知っているのは、打った病院です。
「何か月の遅れまでなら大丈夫」という目安は、この記事では書きません。ワクチンの種類や製品、その子の年齢や体調で変わり、決めるのは獣医師だからです。AAHAのガイドラインは、接種が遅れている犬や接種歴がわからない犬でも、多くの場合は打つメリットのほうがリスクより大きいと考えるよう、獣医師に勧めています。遅れて気まずく感じても、電話を先に延ばさないでください。
前回の証明書が見つからなくても、電話はできます。打った病院なら、記録から接種日とワクチンを確かめられることがあります。引っ越しや転院で、前回の記録が前の病院に残っているときは、転院するときに記録を引き継ぐ方法の記事を参考にしてください。
狂犬病と混合ワクチン、両方切れていたらどちらが先?
どちらを先に打つか、同じ日に打つか日をあけるかも、獣医師に決めてもらいます。電話では、両方とも切れていることと、それぞれの前回の接種日を伝えてください。
狂犬病の予防注射は、次の章で書くとおり法律で毎年1回の義務です。カインズのペット情報サイトのPR記事は、狂犬病の期限が過ぎているときは「たとえ、混合ワクチンの接種期間が1年以上過ぎていても、狂犬病ワクチンを優先するようにしてください。」と書いたうえで、接種のタイミングに不安があればかかりつけの獣医に相談するよう勧めています。トリミングやペットホテルの予約があるなら、両方の証明書がそろう日も一緒に確かめておきます。
狂犬病の注射を忘れてたら、いまからでも打てる? 罰金は?
打てます。6月を過ぎていても、動物病院で受けられます。罰金については、予防注射を受けさせていない飼い主は「20万円以下の罰金の対象」になると厚生労働省が説明しています。毎年1回の義務なので、気づいたら先延ばしにせず受けてください。
法律で決まっていること。 狂犬病予防法の第5条は、犬の所有者に「狂犬病の予防注射を毎年一回受けさせなければならない。」と定めています。注射を受けたら、市区町村が交付する注射済票を犬に着けます。厚生労働省のQ&Aによると、注射済票を着けていない場合も、同じ罰金の対象です。
いまの時期の決まり。 受ける時期は、狂犬病予防法施行規則の第11条で、4月1日から6月30日までと決められています。同じ条文のただし書きにより、3月2日以降にすでに注射を受けた犬は、この期間にもう一度受ける必要はありません。厚生労働省の通知も、この期間に受けさせられなかった場合を「法令違反となる状況」と書いています。実際にどう扱われるかは個別の事情によるので、この記事では判断できません。いまできるのは、気づいた時点で受けて、注射済票の手続きをすることです。
厚生労働省の通知にもあるとおり、市区町村はこの期間に合わせて、集合注射や注射の案内を行ってきました(集合注射を行っていない自治体もあります)。ただ、集合注射と動物病院での個別の注射のどちらで受けるかは、飼い主が選べます(厚生労働省のQ&A)。集合注射の日を逃しても、それで終わりではありません。
いまからできること。
- 動物病院で受ける。 かかりつけに電話して、狂犬病の予防注射を受けたいと伝えます。
- 注射済票の手続きをする。 例えば川崎市では、動物病院で受けたあと、病院が出す「狂犬病予防注射済証」を、犬を登録した区の区役所衛生課に持って行き、注射済票の交付を受けます。済票の交付を代行している動物病院なら、注射と同時に手続きができます。川崎市は、2026年(令和8年)3月2日から2027年3月31日までに受けた注射を令和8年度の注射済票の対象にしているので、秋に受けても、その年度の札が交付されます。
- はがきをなくしていても受けられる。 高岡市のページには「はがきをなくされた場合でも、狂犬病予防接種は受けられます。」とあります。動物病院で受けるときも、名前や住所で登録を確かめてから注射するそうです。
- 体調が悪くて打てないときは、獣医師に相談する。 札幌市は、犬の体調不良などで期間内に予防注射を受けられない場合は、動物病院で猶予の手続きが必要だと案内しています。手続きの名前や流れは市区町村によって違うので、登録している市区町村のページで確かめてください。
2027年3月2日から、狂犬病の注射はいつでも受けられる?
厚生労働省の通知によると、2027年3月2日からは、1年中いつでも受けられるようになります。ただし、毎年1回という義務は変わりません。
2026年4月1日に「狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令」が公布され、2027年(令和9年)3月2日に、受ける時期を4月1日〜6月30日に限る決まりがなくなります。厚生労働省の審議会資料によると、きっかけは、3か月のうちに注射を受けさせるのが難しい場合もあるという自治体からの提案で、4月から6月に受けないと法違反になる状況を正すための改正です。公布より前に書かれたページは4月から6月の決まりを前提にしているので、いつ書かれたものかを確かめて読んでください。改正を案内しているのは、越谷市や厚木市、川崎市などの自治体のページです。
2027年3月2日の前と後で、決まりは次のように変わります。
| 決まり | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 回数 | 毎年1回 | 毎年1回(変わらない) |
| 時期 | 4月1日〜6月30日 | 1年中 |
| 4〜6月 | 施行規則で決まった期間 | 強化期間の目安(自治体が変更可) |
| 注射済票の年度 | 3月2日〜31日の注射は翌年度分 | 注射した年度の分 |
接種の間隔が延びないように、厚生労働省は自治体への通知で、「少なくとも毎年同時期に1回」の予防注射を徹底するよう飼い主に広く知らせることを求めています。越谷市も、これまでどおり毎年同じころに1回の予防注射をお願いしています。強化期間についても、厚生労働省は自治体に、これまでの4月から6月を目安に、3か月程度の期間を設けることを勧めています(時期は自治体が変えられます)。
年度の切り替わりにも注意が必要です。厚生労働省の通知によると、2027年3月2日から31日までに受けた注射には、令和8年度(2026年度)の注射済票が交付されます。そのため厚木市は、令和8年度の注射済票をすでに持っている人には、2027年4月1日以降に受けるよう案内しています。
混合ワクチンが1年過ぎたら、最初から打ち直し?
打ち直すかどうか、何回打つかは、どのワクチンが入っているかと製品によって違い、決めるのはかかりつけの獣医師です。
混合ワクチンは、狂犬病と違って法律上の義務ではありません。環境省の災害対策ガイドライン(一般飼い主編)は、日ごろの備えとして「狂犬病予防接種(義務)に加え各種ワクチンを接種する」ことを挙げています。義務ではないぶん、打つかどうかや何を打つかは、獣医師と相談して決めます。
期限が切れたあとの打ち直しについては、資料によって考え方が分かれます。
- コアワクチンは1回でよいとする考え方。 WSAVAのワクチン接種のガイドライン(2024年版)は、最後のコアワクチン(弱毒生ワクチン)から3年を超えてあいた犬や猫について、2回でやり直す必要はなく、1回の接種で足りるはずだとしています。子犬や子猫のときに何回も打つのは、母親からもらった抗体があるためで、大人の犬や猫には当てはまらない、という説明です。
- レプトスピラなどは2回打ち直す考え方。 同じガイドラインは、レプトスピラやノンコアのワクチンで前回から長くあいてしまった場合は、念のため2〜4週間あけて2回打ち直すよう勧めています。国内の動物病院のコラムによると、混合ワクチンには、レプトスピラなどのノンコアワクチンが入っているものもあります。
- やり直しを勧める添付文書。 同じガイドラインは、多くの製品の添付文書が、2回の接種でやり直すよう勧めていることも認めています。
- 初めての2回のあいだがあいた場合。 WSAVAは、2回で免疫をつけるワクチン(レプトスピラなど)を初めて打つとき、1回目から6週間以内に2回目を打たなかった場合は、最初からやり直す必要があるとしています。
つまり、同じ「1年過ぎた」でも、混合ワクチンに何が入っているか、どのメーカーの製品か、その子が前に何回打っているかで答えが変わります。前回の証明書を持って相談してください。
トリミングサロンやペットホテルの予約がある場合は、施設の条件も関わってきます。国内の動物病院のコラムによると、1年以内に接種を受けていることを利用の条件にしている施設もあります。予約の日までに接種と証明書が間に合うかを、病院と施設の両方に確かめておくと安心です。施設ごとの条件の例は、冒頭で紹介した証明書の記事にまとめています。
犬のワクチンは何年おき? 毎年と3年ごと、どちらが正しい?
資料によって考え方が分かれていて、何年おきにするかは、その子の暮らしと使うワクチンを見て、かかりつけの獣医師と決めます。この記事では、どちらがよいとは書きません。
前提として、混合ワクチンの中身は1種類ではありません。国内の動物病院のコラムは、3年ごとでよいとされているのは、コアワクチン(犬ジステンパーウイルス、犬パルボウイルス、犬アデノウイルス)だけだと説明しています。資料ごとの考え方を、ワクチンの種類で分けると次のとおりです。
| 資料 | コアワクチン | レプトスピラ | 狂犬病 |
|---|---|---|---|
| 日本の法律 | 決まりなし | 決まりなし | 毎年1回 |
| WSAVA | 3年以上あける | 毎年 | 法律か添付文書どおり |
| AAHA(米国) | 1年以内の追加接種後は3年ごと | 毎年 | 州や地域の法律で決まることも |
WSAVA(世界小動物獣医師会)。 子犬期の最後の追加接種(2024年版では生後26週ごろ)のあとは、コアワクチンを3年ごとより短い間隔では打たないよう勧めています。2015年版の日本語訳には「ワクチンは不必要に接種すべきではない。」とも書かれています。レプトスピラは毎年の接種が必要で、狂犬病は地域の決まりか添付文書に従う、としています。法律と添付文書が食い違う国では、法律に従うべきだとも書いています。国によっては、添付文書に書かれた効果の期間が1年のままの製品があることにも触れています。
AAHA(米国動物病院協会)。 コアワクチンのジステンパーとパルボウイルスについて、子犬期の接種のあと1年以内に追加接種をし、その後は3年ごとを勧め、毎年は必要ないと説明しています。レプトスピラは毎年の追加接種が必要です。狂犬病の接種の時期や間隔は、州や地域の法律で決まることがあると書いています。
国内の動物病院。 あるコラムは、「年1回、3年に1回、いずれも間違いではありません。」としたうえで、国内ではまだ年1回の接種が主流だと説明しています。この病院自身は、生活環境を考えたうえで、毎年の接種を勧めています。結びは「獣医師と相談しながら接種間隔を決めるのが望ましいと思います。」です。
大人の犬では、一部のコアワクチンを打ち直すかどうかを、抗体検査の結果を参考に決められる、とWSAVAのガイドラインは書いています(院内で使う検査キットは精度にばらつきがあるとも指摘しています)。ただし狂犬病の予防注射は、法律で毎年1回と決まっています。抗体検査の証明書を施設が受け付けるかどうかは、冒頭で紹介した証明書の記事で触れています。
どの資料も、最後は獣医師の判断に戻ってきます。メルク獣医マニュアルの飼い主向け版にも、何年おきに追加接種が必要かは獣医師が教えてくれる、とあります。記録する側にできるのは、獣医師が決めた間隔を、そのまま次の予定に書き写すことです。
猫のワクチンを忘れてたときは?
犬と同じように、前回の接種日を伝えて、どうするかをかかりつけの獣医師に聞きます。違うのは、法律上の義務がないことです。
狂犬病予防法で登録と予防注射が義務になっているのは犬だけです。それでも環境省のガイドラインは、猫の飼い主の備えにも「各種ワクチンを接種する」を挙げています。
猫の間隔や打ち直しの考え方も、資料によって分かれます。
- WSAVA。 1匹だけで室内で暮らし、ペットホテルを使わない「低リスク」の猫では、コアワクチン(3種の弱毒生ワクチン)を3年ごとより短い間隔では打たないよう勧めています。ペットホテルに定期的に預ける猫など感染の機会が多い猫では、猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスは、最大で毎年まで接種の間隔を短くすることを考えるべきだとしています。
- AAHAと米国猫臨床医協会(AAFP)。 2020年のガイドラインのQ&Aは、何年も接種が遅れた猫でも、1回の接種で打ち直すよう勧めています。ただし不活化ワクチンで2年を超えて遅れている場合は、1回目のあと2〜4週間で追加の接種をするよう勧めています。また同じQ&Aは、コアワクチンが遅れた猫の接種方法として、不活化ワクチンの場合や、シェルターのような感染の機会が多い環境では2回打つ方法も示しています。狂犬病のワクチンが遅れた猫については、米国の多くの州では1回の追加接種で足りるとされる一方、1日でも遅れたら1年あけて2回の接種を求める州もあり、州によって違うと説明しています。
- コーネル大学の猫の健康センター。 接種が遅れた大人の猫は、前回からどれだけあいていても追加接種を受けるべきだとしています。完全室内飼いの猫にもコアワクチン(米国では狂犬病も含みます)を勧めるという、AAFPの専門家会議の推奨も紹介しています。
迎えたばかりの子犬や子猫は、まだ最初の数回の接種の途中で、追加接種の段階ではありません。「2回目を忘れた」というときは、話が少し違います。迎えたばかりのころの通院については、子犬・子猫の最初の通院の記事にまとめました。
なぜ年1回のワクチンは忘れやすいのか
年に1回しかなく、次の日付が、1人の頭の中か引き出しの紙にしかないからです。
毎日のごはんや毎月の予防薬と違い、年1回の予定には、体が覚えるほどのくり返しがありません。そこに、こんな事情が重なります。
合図が春だけ。 狂犬病の注射は、施行規則で決まった春の期間と、そのころに届く集合注射の案内が合図になりがちです。国内の動物病院のグループが自分たちの病院で調べたところ、狂犬病の接種のおよそ9割が4月〜6月に集中していたそうです(ふつうの街の動物病院での調査なので、数としては心もとない、と病院自身が断っています)。Q&Aサイトにも、毎年春に病院で打っていた狂犬病の注射をうっかり忘れて、今ごろ行ったら怒られるかと尋ねる相談があります。
狂犬病と混合ワクチンで、数え方が違う。 狂犬病は春(2027年3月2日からは毎年同じころ)、混合ワクチンは前回の接種日から数えます。「ワクチンの時期」を1つの日付で覚えていると、どちらかがずれます。
連れて行く人と、覚えている人が違う。 冒頭の家のように、家族の全員が「誰かが行くと思っていた」とき、誰も行きません。
証明書が引き出しの中。 次の日付が書いてある紙でも、開かない引き出しの中では合図になりません。
引っ越しや転院。 前回打った病院からの案内が届かなくなると、年に1回の合図が消えます。
毎月のフィラリアやノミ・ダニの予防薬も、同じ理由で忘れられます。リズムが違うだけで、直し方は同じです。予防薬を忘れたときの記事も参考にしてください。
次の接種の日に、来年のためにやること
病院で接種を終えたら、帰る前の5分で、来年また忘れないための準備をします。
- 証明書をその場で撮る。 狂犬病の注射済証も混合ワクチンの証明書も、日付とワクチン名が読めるように撮ります。撮った写真がどんな場面で使えるかは、ワクチン証明書をなくしたときの記事にまとめました。
- 次の日付は、獣医師に聞く。 証明書に書いてあればその日、なければ「次はいつですか」と聞きます。自分で間隔を決めません(WSAVAも、効果がいつまで続く見込みかを獣医師が書ける欄を、証明書に設けるよう勧めています)。
- 狂犬病と混合ワクチンは、別々の予定にする。 数え方が違うので、1つにまとめると、どちらかがずれます。
- 予定は、家族が見える1か所に置く。 紙のカレンダーでも、共有のカレンダーでも、アプリでもかまいません。日付は期限の日ではなく、予約の電話をかけたい日にしておきます。
- 終わったら、誰がいつ連れて行ったかを残す。 「誰かが行くと思っていた」を防ぐのは、「もう済んだ」とわかる記録です。
- 遅れて打った年は、次の日付を書き直す。 獣医師に言われた次の日付に、予定を合わせます。
接種のあとに気をつけたい様子は、次のとおりです。
メモフの立ち位置
メモフには、ワクチンや予防の予定を家族で共有する「ケアの予定」があります。いまのアプリでできることと、できないことを具体的に書いておきます。
- ワクチンの予定を、くり返しで登録できます。 「狂犬病ワクチン」と「混合ワクチン」は別々の予定として選べます。どちらも最初は「毎年」で、獣医師に言われた間隔に合わせて「2年ごと」「3年ごと」のようにも変えられます。レプトスピラなどを別の予定にしたいときは、「その他」で名前をつけ、「種類」を「ワクチン」に、「くり返し」を獣医師に言われた間隔にします(「その他」は最初「しない」です)。種類を「ワクチン」にすると、健康記録のリンクにも載ります。
- 予定日の当日、オーナーと共同オーナーにお知らせが届きます。 事前のお知らせはないので、予約の電話をかけたい日を予定日にしておくのがおすすめです。見る専用のメンバーには届きません。端末の通知がオフの人には、予定はアプリの中にだけ表示されます。
- 誰が完了にしたかが残ります。 予定には「前回」の日付と、完了にした人の名前が出ます。「これまでの完了」を開けば、過去の分もさかのぼれます。予定日を過ぎたものは、アプリの中で「予定日を過ぎています」にまとまります。
- 遅れて打った年は、予定の日付を直してください。 くり返しの予定は、完了にした日から数え直されるわけではありません。獣医師に言われた次の日付に、予定を開いて合わせます。予定を追加・変更できるのは、オーナーと共同オーナーです。
- 通院の記録に、証明書の写真を残せます。 受診日や病院、先生から言われたことと一緒に、1回の通院につき10枚まで写真を添えられます。次回の予定を入れておくと、7日前・前日・当日にお知らせします。
- 健康記録のリンクは無料です。 1日・1週間・1か月で見られなくなるリンクで、ペットホテルやシッターさん、新しい動物病院に、アプリなしでブラウザから見てもらえます。「ワクチン・予防」には、種類が「ワクチン」か「予防」のケアの予定から、まだ完了していないもの(近いものから5件まで。予定日を過ぎたものは「済みの記録なし」と表示されます)と、過去3年に済んだもののうち新しい順に20件までが表示されます。毎月の予防薬も20件に数えるので、予防薬を2つ記録していると、1年近く前のワクチンが載らないことがあります。送る前に、自分でリンクを開いて確かめてください。通院の記録は、日付・受診の理由・病院だけが載ります。
- 健康記録のリンクは、証明書の代わりにはなりません。 飼い主が記録した内容で、写真も含まれないからです。証明が必要な場面では、原本か、施設が認めていれば証明書の写真を見せてください。
ケアの予定も健康の記録も、過去の分まで含めてどのプランでも無料で、全データのエクスポートもずっと無料です。有料(プレミアム)なのは、獣医さんに見せられる健康記録PDFです。広告は表示せず、データを販売することもなく、公開のフィードもありません。メモフでできることは機能ページ、何が無料で何が有料かは料金ページでご覧いただけます。
もちろん、紙のカレンダーでも十分です。次の日付を獣医師に聞く。狂犬病と混合ワクチンを分ける。家族が見える場所に置く。この3つが守れていれば、道具は何でもかまいません。
繰り返しになりますが、本記事は記録のつけ方のガイドであり、獣医療や法律のアドバイスではありません。接種のあとに顔が腫れた、呼吸が苦しそう。そんなときは予定表を見る前に、動物病院へ電話してください。
参考にした資料
- 狂犬病予防法(e-Gov法令検索)
- 狂犬病予防法施行規則(e-Gov法令検索)
- 狂犬病に関するQ&A(厚生労働省)
- 狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令の公布について(公布通知)(厚生労働省、2026年4月)
- 狂犬病予防法に基づく予防注射時期の見直しについて(厚生労働省 厚生科学審議会感染症部会 資料、2025年11月)
- 令和9年(2027年)3月2日から狂犬病予防注射のルールが変わります(埼玉県越谷市)
- 犬の登録と狂犬病予防注射をお忘れなく(神奈川県厚木市)
- 狂犬病予防注射について(済票交付・済票再交付)(川崎市)
- 犬の登録と狂犬病予防注射(札幌市)
- 狂犬病予防集合注射のはがきをなくしてしまったのですが、どうしたらよいのでしょうか。(富山県高岡市)
- 人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>(環境省)
- 犬と猫のワクチネーションガイドライン(世界小動物獣医師会 WSAVA、2015年版の日本語訳)
- 2024 guidelines for the vaccination of dogs and cats(世界小動物獣医師会 WSAVA、2024年、英語)
- 2022 AAHA Canine Vaccination Guidelines(米国動物病院協会 AAHA、英語)
- Canine Vaccination Guidelines: FAQs(米国動物病院協会 AAHA、英語)
- Key Vaccination: Canine Distemper Virus (CDV)(米国動物病院協会 AAHA、英語)
- Key Vaccination: Canine Parvovirus (CPV)(米国動物病院協会 AAHA、英語)
- Key Vaccination: Leptospirosis(米国動物病院協会 AAHA、英語)
- Key Vaccination: Rabies(米国動物病院協会 AAHA、英語)
- 2020 AAHA/AAFP Feline Vaccination Guidelines: Frequently Asked Questions(米国動物病院協会 AAHA・米国猫臨床医協会 AAFP、英語)
- Feline Vaccines: Benefits and Risks(コーネル大学獣医学部 猫の健康センター、英語)
- Vaccines for Dogs(VCA Animal Hospitals、英語)
- Routine Health Care of Dogs(メルク獣医マニュアル 飼い主向け版、英語)
- 混合ワクチンは3年おきでOK!ってホント?(ファミリー動物病院)
- 6月を過ぎてしまうと違法?狂犬病の接種時期のお話(ファミリー動物病院)
- 犬のワクチン接種は毎年するべき?ワクチンの種類やタイミングなどを解説(カインズ ワンクォール、PR記事、2024年)
- 狂犬病の注射について毎年春ごろに病院で打っているのですが今年はうっか…(Yahoo!知恵袋、2022年)
- ペットの健康
- ワクチン
- 狂犬病予防注射
- 混合ワクチン
- 猫のワクチン
- 家族で共有
- 健康記録